はじめに


徒歩ウォーク 12日目






2014年3月26日(水)







●5:33

雨の音で目が覚める。
悪天候のせいか、外はまだ暗い。


宿で頂いたお茶。
お茶付きの宿泊プランだったらしい。
IMG_1048






●6:28

おはようございます!徒歩ウォーク13日目!
外は雨!しっかりと雨!


今日は京都に入り、そのまま三条大橋へ向かう!
東海道53次の終点!それでは行ってきます!



折りたたみ傘を差そうと思ったら、折れていた。
家にあったやつ持って来てただけだし、これ捨てて新しいの買おう。
ここまでありがとうございました。 
IMG_1049






●6:46

椅子とテーブルのあるファミリーマートで朝食。
バックパックを見て、旅行者だと察したのだろう。
レジで店員さんが、「よかったらそこで食べて行ってくださいね」と言ってくれた。
気遣いが嬉しい
ありがとうございます!
IMG_1050



ついでに傘を購入。
普段なら300円の短い方を買っていただろうけど、値段なんてどうでもいいから絶対に雨に濡れたくなくて、大きい500円の方を選んだ。70cmだって。俺の高さの半分くらいある。







●8:00

滋賀県、湖南市ー!!!
IMG_1051






●9:10

何がなんでも、今日中に京都まで行きたい。
立ち止まって何かを食べる時間はない。

小腹が空く度に何かを食べ続ければ、お昼にまとまった食事を摂る必要がなくなると考え、こまめに何か食べながら歩くことにした。

チョコチップクッキー。
IMG_1052






●10:08

滋賀県、栗東市!

IMG_1053




ここからは見えないけど、地図上では、今いる場所の真横に琵琶湖がある!
早くその全貌が見たい!!!






●11:56

再び小腹が空き、ポテトチップスを食べた。
その後10分ほど歩いた頃だった。

水ぶくれの痕に激痛が走った。
それまで我慢できていたのが、突然、歩けないほどの痛みに変わった。
思わず「グッ、ウゥゥゥ・・・」と、唸る。


ここまで順調なペースで歩けていただけに、立ち止まらざるを得ないのが悔しい。
悲惨なことに、今日は雨。
いつものように道ばたに座り込んで処置を施すことができない。
トイレに入って処置しようと思っても、近くにコンビニが見当たらない。
痛くてまともに歩けないにもかかわらず、しばらく進まない、座ることすらできないのかと思い、うな垂れる。



焦っていると、潰れたガソリンスタンドを発見し、敷地に忍び込む。
屋根があるおかげで、床が乾いている。
段差に座っても、濡れたりはしない。
IMG_1054



すでに潰した水ぶくれの傷跡が痛いんだと思っていたけど、2日前くらいから貼りっぱなしだった絆創膏を剥がしてみると、何日も前に潰した水ぶくれの、剥がれた皮の内側に、さらに巨大な水ぶくれができていた。激痛の原因はこれだったのか。
 
新しくできたばかりの水ぶくれで、皮が硬く、潰せそうにもないので、絆創膏を何枚も重ねて貼り、踏み込む際のクッションにした。少しでも痛みを軽減させる。今は、それしか方法がない。

何がなんでも、歩くしかないのだ。








●12:17

滋賀県、草津市!!!
IMG_1055




草津と聞いて、一瞬、「温泉に入りたいなぁ」と思ったが、あれは群馬県の草津町だ(常識知らずめ)。


こっちの草津は何が有名なんだろうなぁ。







●12:33

小腹を満たし続けながら進む作戦は、イマイチ機能していないように思えた。
また腹が減ってしまった。
寒いし、一度座ってしっかり食べようと思って松屋に入る。

とは言っても、時間がそんなにないので、10分で食べて店を出ようと決意する。







●13:27

滋賀県大津市!!!
県庁所在地ー!!!
IMG_1056







●15:17

今まで真横を歩きながら目にすることができなかった琵琶湖を、ついに拝める位置にやってきた。


琵琶湖ー!!!!
大好きだー!!!!!
IMG_1057



あ、、、、れ、、、?
なんか、微妙???



一応、この写真の奥にあるのが琵琶湖なんだけど、今いる場所は、琵琶湖の末端も末端。
湖と川の境界線みたいな位置なのである。
 
悪天候も相まって、とても琵琶湖の景色とは思えなかった。

初めての琵琶湖は、感動どころか、なんだか苦い経験となってしまった。







●14:31


あるいは、琵琶湖がしっかり見えて気分が高揚していたら、もう少し違ったのかもしれない。
雨に疲れて、心が折れ始めていた。

セブンイレブンに入り、元気のきっかけになりそうなモノを選ぶ。
IMG_1058


もうなんだっていい。
元気があろうとなかろうと、どっちだっていい。
歩く。それだけ。






●16:39

しばらく、周りを山に囲まれた傾斜を下り続ける。
多分、百人一首によく出てくる『逢坂』 って場所なのかな?
まるで峠であるかのごとく長くて、正直、しんどい。


坂道は、登りよりも下りの方が、断然ツラいのだ。
幸いなことに雨が止んだので、さしていたビニール傘を今度は杖として利用し、膝をかばう。


さっき飲んだエナジードリンクはおいしかったが、別にそれのおかげで元気が出たとか、そんなことはなかった。




黙々と歩き続けること2時間。
ついに見えた・・・・・・!!!!
IMG_1059



京都ダァーーーーーーーッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!






心が、スッと軽くなる。

ヤッターー!!!!!!!!!!!!!!!






標識を撮影しに、ちょっと戻る。
IMG_1060



せっかくの京都だというのに、相変わらず、標識に対しておかしなアプローチをしてしまったことを後悔したが、もはや、そんなのはどうだっていい。

東京を出発してから13日。ついに、京都府に入ることができた。
それだけで十分だ。





●16:49

三条大橋まで、6kmと500m。
IMG_1061


この地図から判断するに、あとはだいたい真っ直ぐ行けば、東海道もゴールだ。

心が躍動する。

よし。よし。よし。




●17:04

トイレがてら、ローソンでチョコを購入。
あと6kmで三条大橋。
偶然にも、店内のBGMはロッキー。
テンションが上がる。
行くぞ。
IMG_1062






●17:59

またも下り道。
京都はしつこいなぁ。まるで悪あがきをされているようだ。

さっきまで暗かった空が突如として晴れ間を見せ、明るくなり始める。
なんだよ、ゴールに合わてくれたのかよ。凝った演出だな。
IMG_1069






●18:17

オイオイオイーーーー!!
ザ・京都』 って感じじゃねぇか!!!

IMG_1063


バカみたいに「いかにも、私が京都です!!」とでも言ってるみたいな風景だなぁーオイ!!


三条大橋まで、残りわずか!!!!!!







●18:32

三条大橋、、、、

到着!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
IMG_1064



ヤッターーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!






あまりにも感動して、感動して、腰が抜けて、、、



その場に倒れ込んだ。



いや、少なくとも意識はあった。











順を追って説明する。




18:32。
日本橋から始まった東海道53次の終点、三条大橋の前に辿り着く。


その安堵感からだろうか。右手、顔、左手、両足の順に激しい痺れが全身を襲い、まともに立っていられなくなった。7日目(別ウィンドウで開きます)に経験した痺れの、もっと強いバージョン。

あわてて椅子に腰掛けるが、痺れは弱まるどころか、さらに激しさを増す。
水分を取ろうとペットボトルに手をかざすが、指がろくに動かず、握るのも一苦労だ。

2分ほど、激しい息切れのまま座っていたが、痺れが激しくなるにつれ、とうとう、座ってもいられなくなる。椅子から崩れ落ち、道端に寝転がった。

この場所は、若者の集合場所となっているらしく、大勢の学生たちで賑わっていた。
そんな中、非常に恥ずかしかったのだが、それでも、苦しくて道ばたで横になりながら、思わず「うぅー」と何度も呻いてしまう。


そのまましばらく呻いていると、一人の若い、大学生くらいの男性が「大丈夫ですかぁ、救急車呼びますかぁー?」と声をかけてくれた。
ありがたかった。ありがたかったが、ここまで来て救急車に乗せられてたまるか。
明日、俺は大阪まで自力で歩いて行かなくちゃいけない。


声をかけてくれた彼に「大丈夫です」と告げようとした。が、顔の痺れが激しく、口がうまく動かない。

「大丈夫」がうまく言えず、「だいよううえふ、だいよううえふ」と何度も言った。


7日目の夜、同じような状況になった際に酔っ払いと間違えらた経験から、「自分は酔っ払いではない」ということをどうにか伝えたくて、「東京から歩いて来て、疲れたからこんな状態になっているだけだよ」という旨を告げようとした。

が、口から出る言葉は、「とうようから、あういていえて」。
これでは、余計に酔っ払いみたいではないか。


ただ、人と会話をしたことで少し意識が冴え、無理やり体を起こし、座り直すことができた。
きっと、エネルギー不足だ。小腹を満たす作戦なんか取ってないで、日中、ご飯をしっかりと食べておくべきだった。
やっとの思い出立ち上がり、フラッフラの足で三条大橋を渡る。
何か口にしようと、ローソンで唐揚げ棒を買って食べた。

ものすごい数の人間がいる中で倒れて、むちゃくちゃ恥ずかしかったけど、あんまり誰も気にかけてもらえないんだなという寂しさもあった。

知らない街でよかったー。




せっかく京都は三条大橋に到着したのだからと写真を撮ってみたものの、まだ手の痺れが残っていたせいで力が入らず、撮る写真のほとんどがブレてしまった。
IMG_1065

IMG_1070

IMG_1068




体がしびれて倒れた場所。記念に撮っておいた。
多分、100年くらいしたら、俺がしびれて倒れている銅像がここに立ってる(立ってるというか、寝転がってる)。
IMG_1071










というわけで、最悪の展開となってしまいましたが、日本橋を起点とした東海道53次の終点、三条大橋に到着いたしました。
 

 
東海道を見事、クリア!!!!!!
おめでとう、俺!!!!!!!!!








●19:37

突然ですが、僕はJUDY AND MARYが好きなのですが、ジュディマリのギター、TAKUYAさんの出身が京都の祇園でして、その実家(要するにTAKUYAの両親)が経営しているお店が近くにあるということを、実況を見ていたTwitterの人が教えてくれたので、倒れて以来、余計に痛み出して、血が溜まるどころかもう破裂してしまうのではないかと思えるくらいの両足両膝を引きずりながら、『珈琲家 あさぬま』へ。
IMG_1075


カツカレーと、宇治抹茶フロートを頂く。
雨でボロボロで、疲れすぎて、食べるのもしんどいくらいだったけど、おいしかった。
IMG_1073

IMG_1074





1時間ほど居座り、宿へ。
京都には、外国人観光客向けの格安ゲストハウスがたくさんある。
そのうちの一つを予約していた。


『珈琲家あさぬま』さん。ありがとうございました。
IMG_1075







●20:34

宿に向かう途中、いわゆる ”遊びどころ” みたいな中を突っ切ることになったのだが、これだけボロボロの格好で、しかもグッダグダに足を引きずって歩いているというのに、「お兄さん、どう?」と声をかけてくる人がいた。


なにが「どう?」だオウ!?!!?
なーにをアホ抜かしとんのじゃい!!!!
こちとら東京から自力で歩いて来とる言うとんのじゃボケぇ!!
お前さんにそんだけの根性はあんのか!? エエコラ!?!?
(※アウトレイジの西田敏行風に)



今ならなんか、恐い人にもこの「根性」だけなら認めてもらえる気がしたし、それで持って、一回くらいなら見逃してもらえるんじゃないかという気がした。

なんなら、「兄ちゃん、頑張りィよ」とか言ってくれそうな気さえした。
東京から歩いてくる覚悟が、お前にあるか?」みたいな脅し文句が通用するように思えた。

いいねぇ。アウトレイジみたいに映画化しよう。
主演は、そうだなぁ。綾野剛がいいかなぁ。






●20:43

宿、着・・・。
もう無理、まじで無理の無理。。。
IMG_1077

IMG_1078









【13日目のまとめ】

出発時刻 06:28
到着時刻 20:43
移動時間 14時間15分
歩行距離 43km

IMG_0339






13日目の出費

食費 朝食:813円、昼食:230円、夕食:1700円、エナジードリンク:200円、
   間食:310円、

雑費 ビニール傘:500円

宿泊 ゲストハウス:3500円


合計:7,253円





ウォーーーーー!!!お金、使い過ぎ!!!
ゴール直前になってお金のことどうでも良くなってきてるな…。
確かに、この期に及んで計算するのめんどくさいしな。

もういっか。多少はさ。
ここまで頑張ったんだし、あんまり気にするのはやめよう。







●21:47

雨が降ると、水ぶくれの状態が、悲惨なこと極まりなくなってしまう。
もちろんそれだけではない。雨はもう、本当に本当に地獄です。

一度寝転がったが最後、立ち上がる気力もなく、というか、立ち上がったところで、足も水ぶくれも痛すぎて、シャワーまですら歩けないだろう。
全身ボロボロだったけど、シャワーは明日、起きてから浴びよう。 
ということで、今日はもうそのまま寝ます。





みなさま。
応援、誠にありがとうございます。
明日、47kmという長丁場を無理やり詰め込み、大阪は高麗橋へ向かいます。
そして、この『東京〜大阪 徒歩ウォーク』も終わらせようと思います!

それではまた明日!
おやすみなさい!