はじめに


徒歩ウォーク 11日目











2014年3月25日(火)






●5:39

起床。
朝型にする作戦がうまく行っているみたいだ。
テレビをつけ、ダラ〜っと準備をする。






●6:36

朝軽食の食べ放題!!!
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店内で流れているラジオで、適切な睡眠時間はどれくらいかという話をしていた。
気になったので耳を立てる。

「睡眠時間はね〜、大事だからね〜。 6時間じゃちょっと少ない。10時間がいいね。いや、でも、10時間はちょっと長いね。うん、10時間は長いわ。ちょっと寝過ぎかな〜。8時間がいいんじゃないかな、うん。8時間はね〜ちょうどいいんだよ。個人差もありますけどね、笑」

だってさ。
なんだこの情報量の無さは。話を迂回して迂回して、あげく、『赤信号は渡ってはいけない!』みたいなことを言っただけじゃないか。なんなんだ。


話す相手がいないから、ラジオに対して脳内でツッコミを入れる。

人と会話がしたいなぁーー!!!!!!







●8:01

ネカフェとは違い、ベッドがある部屋だとゆっくりできちゃう分、ゆっくりしちゃうんだよなぁ。
せっかく早起きしたのに、こんな時間になってしまった。


おはようございます!徒歩ウォーク12日目!
いよいよ鈴鹿峠へ向かう!ホントに、いよいよって感じだぜ!
クライマーーックス!!!


今晩もまた、宿に泊まる予定だ。ちょうど良い距離に市街地がなく、当然ネットカフェがないからだ。
地図でみた限りではすごくへんぴな場所にありそうな民宿を抑えた。

花粉も飛んでそうだけど、抗アレルギー剤をキメた今の俺なら行けるぞー!!
それでは、行ってきます!






●8:31

今日も天気が良いなぁ〜!
『THE 田舎』という感じの景色だ。
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赤い車が、白い車たちに向けて演説しているみたいに見える。
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「え〜、コホン。君たちはまだまだ白い。それはすなわち、何色にでもなれるということだ。諸君の無限の可能性を信じ、アクセルを踏んで欲しい。時には、サイドブレーキを引いて休むのじゃぞい。」








●9:10

頭上をたかって着いてくる虫がうっとうしい。払っても払っても集るので、走って逃げる。
しつこく追われ、逃げ続ける。

ようやく振り切ると、走ったことによるダメージが一気にきた。

足痛くなってきた...。


走らなきゃ良かった...。



暑くなってきて、ヒートテックを脱ぐ。







●10:31

Googleマップに郵便局の表示があるのに、全然見当たらない。
どこにそんなのあるんだ!と見回していると、あった。
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郵便局というよりは、完全に古民家だ。
これじゃあ、気がつかない。




桜のつぼみ。芽吹いている。
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●10:50

東海道っぽいゾーンに入る。
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四日市までは通過したはずだから、今いるのは石薬師か、庄野か、亀山の辺りだろうな。

・・・っていうか、もう終盤じゃん!!!!!!




いつのまにか、進んでたんだなぁ...!

しみじみする。





鈴鹿川!
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一瞬、『鹿に注意!』みたいな標識かと思って焦る。
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●11:11

関宿の近くでココイチに入る。
峠が近いので、早めに食べておかないと、この先、食べられなくなってしまう。
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●11:47

カレーを食べ終え、隣のコンビニでチョコレートを購入。
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いよいよ峠に入る。
この期に及んで足が痛い...。ちくしょう。







●11:55

東海道 関宿!!
街並が綺麗だという前情報を得ていたので、ちょっと散策。
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関宿には旅人歓迎の宿場があって、本当はここに泊まりたかった。
タイミングが合わず、諦めたが、いつの日かまた来られますように。
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●12:14

関宿名物志ら玉』を見つける。
そんなに時間があるわけでもないが、いかにも山帰りのおっちゃんと、このお店のおばちゃんがお喋りしていたのが羨ましくて、混ぜてもらおうと、店に入る。
お茶を出してもらって、束の間の休憩。
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関宿名物志ら玉
うまい!間違いない!
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●13:06

峠が目の前に立ちはだかる。
あれを越えれば、あとは歩くだけだ!!ウォーーー!!!
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いや、そもそも歩くだけなんだけどさ。







またも東海道ゾーンみたいな場所を発見。
宿場の名前を一つずつ読み上げ、ニタニタしながら通り抜ける。
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●13:20

登り道に差し掛かり、うねる車道を行く。
車道脇のスペースは狭く、その割には、乗用車6台を積んだ大迫力のレッカー車なんかが「ビシーッ!!ドシャーッ!!」と横切って行くので、恐ろしくなって車道を離れ、山里の集落(?)の方へと一旦降りることに。





●14:01

こういう、暗くて少し不気味な山道を通ってる時に人とすれ違うと安心する。
ハイキングおじさんと挨拶を交わす。そういえば、登山とかってすれ違い様に挨拶する文化あるよね。
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●14:13

だいぶ登ったぞーー!!!

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●14:16

待ち望んでいたトンネルに到着。
このトンネルの向こうには、一体何が待っているのだろうか・・・。
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●14:22

滋賀県でしたー!!
甲賀市!ニンニン!
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●14:52

今朝はあんなに晴れていたのに、いつの間にか雲行きが怪しくなってきた。
寒い...。パーカーを羽織る。
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箱根、金谷、鈴鹿と、ここまで3つの峠を経験したけれど、山の中にいると猛烈に寂しくなる瞬間がある。

自動車はいっぱい走っているけど、人がまるでいない。
そこら中にあるはずの民家や建物は、決まって空っぽだ。

早く市街地へ出たい。








●15:34

道の駅『あいの土山』に到着!
トイレに行きたかったが、山中トイレがなくて、ずっと我慢していた。
助かった・・・。


お腹も空いたし、ここで休憩しよう。
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と、思ったら、定休日だった・・・。
 
 
オイオイオイ、なんだよそれ・・・。
道の駅に定休日なんてあるのかよ…..。



ガックリしながらトイレだけ済ませ、とりあえず、ベンチに座る。

峠を越えた足は、疲れと痛みの温床だ。
バンテリンをしっかり塗り込む。







●15:47

座っていた所はバス停だったらしい。
地元の中学生が溜まって雑談に明け暮れている。

そんな場所で、どこの馬の骨かもわからない人間が靴下を脱いで足を揉んでいるの、かなり恥ずかしいな...。

そそくさと、逃げるようにして立ち去る。
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腹減ったー!コンビニないかなー!






●16:13

座って食べている時間も場所もないので、歩きながら食べられて、量が多くて安くて高カロリーな食べ物を探したところ、お菓子になってしまった。
っていうか、まぁ、お菓子が食べたかっただけなんだけどさ。
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●17:02

ゾロ目ー!
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すごい!どの角度から見てもゾロ目だ!!(当たり前だ)







●17:16

足が痛くて立ち止まるが、ロッキーのテーマを口ずさむことで自分を鼓舞し、勢いだけで歩みを進める。






●18:06

宿まで残り2.4km!
ローソンに寄り、サンドウィッチとチキンを買う。
店員さんの喋りが、地域的に当然ではあるが、訛っていて、「ウォー!滋賀県!!」と、テンションが上がる。


塀に腰掛け、ご飯を食べる。
あり得ないけど、高圧電線だったらどうしようとか思って、寄りかかれなかった。
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●18:41

足が動かない。
最後はもう、腕で歩く。
両腕を大きく振ると、脚に力を入れなくても、反動で脚が勝手に前に進む。


端から見れば、さぞ威勢のいい歩きだっただろう。
こうして宿に到着。



ヨッシャーーーーーー!!!!!!!!

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フロントの、気の良い優しい、渡瀬マキみたいな若い女将さんがとってもお喋りだった。


女将「午前中にも大学生が来てな、泊まるでもなく、ロビーで2時間くらい、”ちょっと休憩” とか言ってな、両手で杖ついて来たで〜。ほんでな、ほんでな〜」と、ハイペースで喋り続ける。自分もそれをウンウンと聞き入る。



1分ほど、一方的に喋られたあと、「あ、ごめんごめん、喋りすぎたわ〜」と言われた。
いえいえ、とっても嬉しいです。

しばらくまともに会話をしてないせいか、他人の話をただ黙って聞くだけでも、すごくすごく嬉しくて仕方がない。



女将さん曰く、この宿には徒歩旅の人がよく訪れるみたいで、


女将「足を高くして寝るとええよ。本当にな、次の日 ”よくなったわ〜” 言うて、あたし、みんなに感謝されるくらいやねん」と教えてくれた。こういうお気遣いは、とってもとってもありがたい。


それにしても、三重県とか滋賀県とか、この辺の人の喋り方は響きが柔らかくて、優しい感じがするから好きだ。






本日のお宿情報です。
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【12日目のまとめ】

出発時刻:08:01
到着時刻:18:41
移動時間:10時間40分
移動距離:40.4km

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12日目の出費

食費 朝食:0円、昼食:780円、夕食:392円、間食:225円、水:267円

雑費 志ら玉:85円

宿泊 素泊まり:5000円


合計:6,749円











●21:31

宿泊費が高い。。。。
名古屋以降、ネットカフェが極端に減って、ネカフェに宿泊できなくなってしまった。



さて、いよいよ明日は京都に入る。
日本橋から始まった東海道53次も、明日で終点を迎える。



「いよぉーし!! このまま明日と明後日と、大阪まで行きに行くぞー!!!」
と、意気込んで天気予報をチェックすると、なんと明日は雨マーク。


ウォーーー!!!嘘だろーーーーー!!!!!
ちょっと待って!!なんで明日雨なの!!!!!!
雨はもうこの前までで終わりだったんじゃないのー!?!?!?
また苦しめられなくちゃいけないの!?!?!



うわーー!!!!!!!!






ふて腐れて、そのまま眠りにつく。
女将さんに教えてもらった通り、足を高くしながら。